一般社団法人
協創リハビリテーションを考える会
Question
「ハンチョウヒザ」って何ですか?
病院などのリハビリ訓練室などで療法士さん同士の会話で「ハンチョウヒザ」という言葉を耳にします。
「ハンチョウヒザ」って何のことですか?
Answer
脳卒中後の麻痺や筋力低下や感覚障害などが影響し、膝関節に現れる症状として、「膝折れ」や「反張膝」があります。
「膝折れ」は体重をかけたときに踏ん張りが利かず、カクンと膝が曲がってしまう(抜けてしまう)ことを表した言葉ですが、
「反張膝」はその逆です。
「反張膝」は体重をかけた時に、膝を弓のようにそらして体重を受けている状態のことを
指します。
筋肉を使わずに骨や腱、靭帯などで体重を受けている状態です。
筋肉を使わないので、ご本人としては楽に感じるかもしれませんが、腱や靭帯に必要以上
のストレスがかかっているため、放っおくと関節を痛める可能性があります。
反張膝 の主な原因として、大腿四頭筋やハムストリングス等の「筋群 の不均衡」が
まず挙げられます。
脳卒中などにより、運動麻痺が生じると、下肢は伸展パターン優位になることが多いです。
伸展パターンとは、その名の通り『伸展を取りやすいパターン』ということです。
つまり、下肢は無意識的・反射的に伸展(伸ばす)しやすいパターンを
取りやすくなると言うことです。
麻痺により伸展パターンが優位になり曲げる(屈曲する)ことが苦手になることで
伸ばす筋と曲げる筋のバランスが崩れて反張膝を引き起こすきっかけとなります。
また、麻痺をすると足が内反傾向になります。内反とはつま先が内側を向いた状態です。
この足の状態も反張膝を助長する事があると考えられています。
さらに感覚障害も一つの反張膝を引き起こす要因になります。
足の感覚が鈍いことで人は無意識的に転ばないような戦略を取ります。すると膝をより一層
伸ばして関節をロックさせることで安定化を図ろうとしてしまうのです。